訪問看護リハビリステーションたもつ 管理者の平田です。

 

コロナ禍の中で開催されている東京オリンピックですが、毎日選手の皆さんの奮闘ぶりに感動をもらっています。ただ、無観客試合である事が残念でなりません。1日も早くこのような状況が終息する事を願うばかりです。

さて、今回は訪問看護師となって初めて受けもたせていただいた、利用者Aさんとの関わりについて振り返りたいと思います。

Aさんは疾患の影響でで両方の足首から足先までが真っ黒に壊死され、さらに血流不良から強い痛みに苦しんでおられました。毎日、朝昼晩、寝る前に鎮痛剤の内服をされていましたが効果はあまりありませんでした。

当ステーションにはシャワー浴での清潔ケア、両足の傷の処置を中心とした訪問看護の依頼がありました。

シャワー浴に関しては体調に合わせて実施し、足の処置は大量の軟膏を使用し壊死の進行を遅らせるというような関わりを行っていました。

Aさんは訪問当初より意識はあまりはっきりされておらず、訪問時に娘さんに日々の様子を伺っているような状態でした。その中で必ず『父は足の痛みで夜中も寝れていません』といつも話され、どうする事がTさんにとって最善であるかを娘さんと話し合いました。

娘さんの思いは、『あまり余命は長くないと思うので父の好きなお風呂に入れてあげたい』『とにかく痛みを取って楽になってもらいたい』と大きく2点を話されました。

そこで、訪問入浴と麻薬(貼り薬)の導入を提案しました。

そして私は初回の訪問入浴に立ち合いました。Aさんははっきりしない意識の中でしたが気持ちよさそうに入浴されていました。また、それを見ていた娘さんが、本当に嬉しそうにAさんを見つめておられた光景が今でも忘れられません。

そして、訪問入浴のおかげで真っ青であった両足の血流が改善され、皮膚が赤みを帯びており、さらに娘さんは喜んでおられました。

肝心の足の痛みについては在宅医の医師と連携し麻薬をスムーズに導入でき、すぐに効果が現れAさんも痛みにうなされることなく過ごすことが出来るようになりました。

しかし、1週間も経たずにAさんは息を引き取られました。

娘さんからは『少しの間だけでしたけど、痛みのない時間を父は過ごす事ができて、本人も家族も満足しています』と話していただきました。

私は麻薬によりAさんの足の痛みも緩和され、入浴によって血流も改善しており、さあこれからだと意気込んでいました。Aさんが亡くなられた事でもっと早くこの方法を導入しておけば良かったと、後悔と自分を攻める思考に陥っていました。

しかし、最後の娘さんの言葉を聞いて、本人と家族が満足されているなら、それが正しかったのだと時間が少し経った今思えるようになりました。

改めて、訪問看護は利用者とその家族が中心なのだと気付かせていただいた貴重な関わりでした。

 

写真は成長した田圃の稲です。

終末期の利用者さん、家族の希望を叶えることは訪問看護師にとってやりがいとなり、利用者さん家族と一体となれる瞬間でもあります。一つ一つ叶えていけばと思い関わらせて頂いております。

訪問看護リハビリステーションたもつは、京都市伏見区、京都市南区、京都市山科区、京都市東山区、宇治市を中心に活動しています。

看護師増員により、ますます充実した訪問の質・量を兼ね備えた看護体制を構築しています。

5月1日京田辺市に訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 オープンしました。京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を構築していきたいと考えています。

あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。

新規京田辺市・伏見区 令和3年8月以降採用療法士9月以降の看護師を募集しています。

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統括所長  西谷 保