こんにちは。作業療法士の古澤です。秋も深まり木々の葉も色づき始めてきましたね。
「訪問看護リハビリステーションたもつ」で働き始めて早2年が経ちます。その中で、生活不活性化による廃用症候群の方にリハビリを!との依頼を受けることがたびたびあります。意欲もなくサービスに抵抗がある方も少なくありません。そのような方へのリハビリに関して少しお話ししたいと思います。
定位置から動かないこのご利用者様もそんな1人。デイサービスもほとんど行かずお部屋から出ることはないとのことでした。唯一トイレまではお一人で歩かれるも、フラフラでした。妻ともあまり話をせずにテレビを見て過ごしておられるとのこと。
私はまず顔を覚えていただき、少しでも体を動かす時間ができ、話をする機会が増えていけば良いなぁという気持ちで訪問させていただきました。もちろん全身的な筋力アップも必要なので、まずは定位置での可能な範囲での運動から進めました。負担なく今の筋力でもできる運動、回数を重ねるとちょっとしんどいくらいの運動、弱った筋肉を使う運動というように、段階をつけて運動への拒否がないよう配慮して行いました。下肢だけでなく、体幹や上肢など全身運動も行うようにしております。
また家族の話、盆踊りや社交ダンス、植木など趣味の話、時には私の息子達の話もしながら、奥様と3人で楽しい時間を過ごしていきました。普段は会話のないご夫婦が目を合わせて笑う姿を見て、私も嬉しい気持ちになりました。
訪問開始から約4ヶ月。筋トレの時間が長くなり、若干筋力や持久力が改善してきております。また会話は歩行練習しながら楽しんでいます。歩行練習も初めは室内だけ、そこから玄関へまで、玄関から出て外の空気に触れましょうと、少しずつ少しずつ距離を伸ばしており、最近では近隣を15〜20分程散策しております。「あんたが帰ったら飯の時間だな。次は…あっカレンダーに書いてある。来週だな。」と訪問日を意識してくださるようになりました。「あんたが来るのを指折り待ってたんや」と冗談も言ってくれます。また歩行練習の際には「外行くならこれでは(肌着姿)あかんな。歯も入れたほうがええな。」と面倒くさがっていた洗顔をされ、義歯を装着し、髪をとき、着替えをしてから歩きに行きます。「時々こんなん(座ってできる筋トレ)もやったらええんやな?」とリハビリ中にしている運動も覚えておられます。奥さまからは「久々に話をした。あなたが来た日はご機嫌なの。外へ出るなんて嬉しいわ。やっぱり歯を入れたほうが男前よ。」と喜んでいただいています。
今はまだ訪問時以外の生活にまでは波及出来ていません。訪問日の昼食だけは義歯を入れて食べられる日もあるようですが。これまでと同じ定位置での生活が続いておられます。それでも歩くことから自身の身なりに気持ちが向いて整容動作も行うということは、この方にとって大きな変化であると感じています。こういったことを積み重ねながら生活を活性化させ、生活の中で自然と体を動かして生活機能を維持していくのもリハビリテーションの一つであると考えます。歩行も安定してきたせいか、杖をトイレに置き忘れることがしばしば。今後も転倒には気をつけていきたいと思います。
ご自宅近辺を散歩した時の空の写真です。秋らしい日差しと風が心地よく、歩くこと、外へ出ることの楽しみを感じたひと時でした。
訪問看護リハビリステーションたもつ(京都市伏見区)は、京都市伏見区、南区、山科区、東山区を中心に活動をしています。
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管理者 西谷 保