看護師の岩崎です。
訪問の途中、どこからともなく漂ってくるキンモクセイの匂いに秋を感じています。
朝晩と冷え込みが厳しくなってきましたが、皆さま体調はいかがですか?
先日、とある利用者さんが住む予定であったお家を訪問させていただきました。その方との出会いを通して感じた看護についてお話させてください。
出会いは2018年の12月でした。末期の癌を患い早ければ年が明けた3月かもしれないと医師に宣告されていました。健康管理と入浴介助を目的に週3回訪問させていただいていたのですが、宣告されていた3月が過ぎ1回目の桜の季節になりました。3月を越えたことがその方の喜びと活力になっていました。足の痛みに対して麻薬を内服しており量も次第に増えていたのですが、ある日を境にピタリと痛みが治まったのです。元々夫婦での旅行を計画しておられたため、痛みがなくなった今がチャンスだと思い、散歩や旅行を提案していましたが車椅子がないと外出できない利用者さんは人目を気にしてあまり外出はしたがらず、夫と車で近所へお買い物に行くことがたまの気分転換になっていました。私はそれ以上アプローチできませんでした。それからしばらくして足の痛みが再燃し、体の状態も次第に悪くなっていきました。2回目の桜の季節を迎えたある日、家の近くの桜を見に行かないかと提案しましたが、やはり断られました。その後引越しの予定が決まり「次のところに引っ越したら岩崎ちゃんとお散歩したいな。」と言ってくださいましたが、それは叶いませんでした。私はこの方との関わりの中で何か具体的に行動としてできることはないかと「行動」に囚われて焦っていました。闘病日記の中で自由に動けない悔しさや病気に対する恐怖心、夫に対する感謝など様々な思いを綴っていた利用者さんにとって、行動でなくてももっとできたことがなかったかと今でも考えることがあります。最期に向かっていく利用者さんに対する看護は人の数だけ物語があるところが難しいなと感じます。これからも出会いの数だけ悩み考えながら、ひとつでも利用者さんと気持ちを共有できる看護ができたらなと思います。
2019砥峰高原の秋
訪問看護リハビリステーションたもつ(京都市伏見区)は、京都市伏見区、南区、山科区、東山区を中心に活動をしています。
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管理者 西谷 保