看護師の古田です。オリンピックが始まりましたね。皆さんはご覧になっていますか?それぞれの選手の様々なドラマがあり、勝ち負けだけではない所にとても心を動かされます。各国の選手がお互いにリスペクトし、たたえ合う姿もとても素敵ですね。さて、今日はステーション内での療法士スタッフとのやりとりから学んだこと、そして訪問の中で嬉しかった出来事についてお話しようと思います。
訪問看護リハビリステーションたもつの強みの一つとして、看護師と療法士の連携があります。その中で利用者さんについて療法士スタッフと話をしていた時に気づくことがありました。それはできることへの目の向け方です。在宅のリハビリテーションの考え方として利用者さんの「生きるために必要な動作」をどうすれば引き出すことができるかということがあると思います。看護師はどうしても利用者さんの体になるべく負荷をかけない方向で考えがちになってしまうように思います。制限のある中で、どうしたらできることを広げていけるのか、伸ばしていけるのかとういう視点での考えや意見を療法士スタッフからはいつももらうことができとても学びになります。看護の場・リハビリテーションの場が常に生活の場であり「生活の視点」を大切に医療的目線をもちながら制限や手助けばかりではなく「できるを伸ばす支援」について考えていきたいと思っています。
訪問の中で利用者さんの「できる力」を感じた瞬間がありました。Aさんは気切カニューレを挿入したまま生活をすることになり退院されました。毎日のカニューレ交換が必要でしたが、初めての医療的処置に直接見えない喉元での操作となりAさんは不安がとても大きかったです。当初は「こんなこと私にはとてもできない」と触ることさえも恐る恐るでした。毎日訪問看護が入り少しずつ一緒に練習し、なるべく自分でできる部分はしてもらおうと関わっていました。Aさんは「全然うまくできない」とおっしゃっていましたが日に日に手技は上達していきました。ある日、カニューレの不具合があり訪問外に交換する必要ができた時、Aさんはすぐに看護師を呼ぶことはせず自己での交換にチャレンジし問題なくできたのです。毎日訪問看護が入っていて日々の交換は看護師にお任せ、ということもできましたがこういった不測の事態の時になるべく慌てず自己で対応できる備えをと思い関わっていました。自分ではとてもできないとおっしゃっていたAさんが落ち着いて対応できたことに毎日の関わりの成果とAさんの「できる力」を感じました。また、Bさんはストーマを造設し退院されました。入院中にパウチ交換の手技が獲得できなかったため退院後に訪問看護が導入となりました。訪問時に看護師と一緒に少しずつパウチ交換の練習をしていました。初めはなかなか主体的には取り組めなかったBさんですが、少しずつできる部分が増えるように関わりました。また、奥様にも同様に指導し一緒に交換できるように関わっていました。退院当初、パウチから便漏れがあった際にどうしていいか分からず病院を受診するという経緯がありましたが、私たちが介入してしばらく経ち同様に便漏れがあった際、慌てることなく奥様と協力して交換することができました。いつもはなかなか積極的にされる様子ではありませんでしたが、何度も説明しながら交換していたことや奥様を巻き込んで一緒に指導していたことが実を結んだと感じました。また、看護師がいなくても2人で協力してできるんだというBさんと奥様の力を感じました。私たちは「看護師さんのおかげでこうして生活できる。パワーをもらえる」と言って頂くことがありますが、私はいつも逆だなと思っています。様々な生活変容を強いられた中でもたくましく生きる利用者さんからいつも「生きる力」をもらっています。私たちは利用者さんのほんの少しのお手伝いをしているだけです。本来あるその方の力が存分に発揮されることが在宅においては重要だと考えます。
さてさて、今週末2月13日は第111回の看護師国家試験です。この数年が学生だった受験生はコロナ禍で学生生活も大変なものがあっただろうと想像します。どうかこれまでの頑張りが存分に発揮できますように!写真はある日の訪問中の空です。小雨が降る中バイクで走っていると雨雲から抜け出して青空に出る瞬間がありました。そして、そこに虹がかかっていました。何だか神秘的な瞬間でした。
看護師の関わりは、小さなことの積み重ねです。日々では大きな変化がありませんが、徐々に変わる支援をしています。看護師・療法士それぞれの視点・考え方をいかし、利用者さんの目標を達成したいと考えています。
訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。令和4年1月以降の作業用療法士・理学療法士(京田辺)・言語聴覚士(伏見区)令和4年3月以降の看護師(伏見区)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接採用を最優先、優遇します。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。
統括所長 西谷 保