看護師の津元です。
5月も、もう後半になりました!皆さまどのようにお過ごしでしょうか。だんだん暑くなる日も増えてきましたね。
これから梅雨がやってくると思うと憂鬱ですが、雨にも風にもコロナにも負けず、今日も1日頑張ろう!と気合を入れています(^^)
今日は以前少しだけ話に出させていただいた、Bさんのお話をしたいと思います。入院中にもう治療できない癌末期の状態と突然診断され、今後は緩和ケアの方針となったBさん。Bさんはもともと独居であり、奥さんは数年前に亡くしておられ、娘さん息子さんは他府県にお住まいでした。本人さんは「家に帰りたい」と言われていましたが、娘さん息子さんは病気を持ちながら独居で生活するのは難しいだろう、一人で生活を続けることは心配だと、転院の調整を依頼されました。しかし、コロナ禍であり近隣の病院はどこも受け入れてもらえませんでした。
退院前カンファレンスで在宅チームを交えて会議を開催し、使用できる限りのサービスを導入して退院することになりました。1日1回は誰かの目が入るようサービスの調整をしましたが、やはりご本人1人の時間は長く、娘さんと息子さんが交代で泊まり込みで介護をされることになりました。在宅退院後、近くの病院の緩和ケア病棟への申込をされ、空き次第入院する予定になり、それまでの間は緩和ケア外来を通院することになりました。
私たち看護師は体調の安定のため、毎日訪問して必要なケアを実施しました。ご本人は自分のペースで過ごされていました。食べたいものを食べ、読みたい本を読みたい時間に、見たい映画を見たい時間に。会いたい人と会ったり、お友達と電話でお話したり。そして、しばらく別居生活だった娘さん息子さんと一緒に過ごされ、昔の話などを楽しそうにされていたのが印象的でした。しかし時折、症状が悪化することがあり救急外来へ受診しないといけないこともありました。その度娘さんはとても不安を感じ辛い思いをされ、やはり早く入院した方がいいのではないかと悩まれていました。
在宅退院からちょうど1ヶ月経つ頃、緩和ケア病棟への入院が決定しました。入院当日の朝、私がいつも通りのケアを実施し、ご挨拶をしました。本人さんから「また退院してきた時は頼みますね」と言われ、握手をしました。本人さんは涙され、娘さんもその姿を見て涙されていました。入院されてから約1ヶ月後、娘さんからBさんが亡くなられたと連絡がありました。しばらくしてから娘さんと話す機会を作りました。
娘さんより 「緩和ケア病棟へ入院になった時、本人と涙ながらに握手をして、もう家には帰れないかもしれないと感じたのかなぁと父の気持ちを考えると、可哀想なことをしてしまったなぁと、辛い思いになりました。でも、しんどいのを我慢させたくないし、本人が楽になるのが1番だと思ったのでこの選択を選びました。」正直言って私自身もあの時、まだもう少し在宅で過ごせたのかなぁと悩みました。私が悩むぐらいですし、ご家族は本当に苦しい選択だっただろうと思いました。しかし娘さんはこう振り返っておられました。「今思うと無謀だと思って退院してから過ごした家での1ヶ月間は、色んな想い出がいっぱいです。父はずっと単身赴任をしていて子供の時から別居で、大人になって結婚してからも別居なので、一緒に生活をした記憶がありませんでした。こんなにたくさん話せたこともなかったです。この時初めて聞いた話もありました。本人だけでなく私自身もいい時間が過ごせて、本当に良かったと思っています。」
私は娘さんの言葉を聞いて、選択に正解も間違いもなく、悩んで考えた時間がその選択を納得できるものにするんだなぁと思いました。そして、ご本人だけでなくご家族にとってもいい時間だったと言っていただいたことが、私はとても嬉しく思いました。私は終末期の看護をする中で、ご本人を第一に考えるのはもちろんですが、残されたご家族が今後生活されていく中で、家族を亡くした時のイメージが嫌なイメージでなく、ポジティブなイメージであってほしいと思っています。そのためには、向き合う時間をいかに作るかが大切だなぁと実感しました。日をあけて、月命日にご遺族訪問をさせていただきました。久しぶりにご家族に会いましたが、お元気そうで安心しました。本人さんのことを振り返りながらご家族は笑顔が多く見えていました。きっとご本人も奥さんと一緒に笑顔で見守っておられると思います^ ^
写真は広い公園に遊びにいった時の花壇のお花です!丁寧に整備されていてとっても綺麗な公園でした。
訪問看護リハビリステーションたもつでは、終末期の利用者さんを積極的に受け入れ、その人らしい医療・生活を選択をできるように支援しています。
訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。令和4年6月以降の作業用療法士・理学療法士(京田辺)・言語聴覚士(伏見区)令和4年6月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、優遇します。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。
統括所長 西谷 保