作業療法士の神原です。
今日は筋力トレーニングの話をします。筋トレという言葉は皆さん馴染みがあると思いますが、方法論は多種多様で、病気に伴う筋力の低下や、高齢者の筋トレとなると明確なものはありません。療法士の中でも千差万別で、体操レベルの運動から、解剖学や運動学、栄養学等最新の知見などを元に、利用者さんの状況を見ながら工夫して実施しているものまで様々です。特に麻痺に伴う筋力低下に対する運動は難しく、ただ闇雲に疲れるまで運動すれば改善するものではありません。私は麻痺に伴う筋力低下に対して、関節に感覚刺激を加えながら運動を行う技術を用いることが多く、その方法でよく改善された利用者さんのエピソードを紹介します。
Aさんは頚髄の病気で首から足にかけての不全麻痺をもたれています。手術をされた病院、回復期の病院で入院加療され、その病院の訪問リハを利用者されていましたが家の中で動けているという理由で終了を告げられ、たもつのリハビリがスタートしました。ちょうど手術から1年ぐらいの時です。Aさんは頚髄の神経の五番目から麻痺があり、特に右肩が上がらず、右肘も重力に逆らって曲げられない状態でした。そのため左手でスプーンを使ってお食事されていました。足腰にも麻痺があり、歩行は家の中をやっとのことで伝い歩きされていました。本来1年ぐらい経っていると、麻痺に伴う筋力低下は著明には改善しませんが、これまでに受けられたリハビリの内容と数回の訪問時の運動に対する反応から、改善の可能性があると考え、前述の方法で機能的な運動を行いました。Aさんの頑張りもあり、数ヶ月後には筋力は改善し、右手でお箸を使用してお食事が食べれるようになり、料理もできるようになられました。歩行もお住まいである団地の3階から1階への階段移動が一人でできるようになられました。私の経験の中でも、本当によく改善された利用者さんの1人です。現在はサービス開始から数年経ちましたが、しっかりと維持されています。Aさんは「寝たきりになっても家で生活したいから、たもつさんずっと訪問にきてや~」とよくおっしゃってくださってます。
Aさんに用いた技術は、療法士であれば誰でもできるものではありません。私は学生の頃療法士は「職人」であると指導されたことを思い出します。大工さんようなものであると。腕のいい大工さんでしか建てられない家があります。また、建ってる家は同じに見えても、大工さんの腕次第で住み心地や耐久性が変わるのは想像できます。療法士も各自の知識、技術次第で利用者さんの生活やその内容は確実に変わります。たもつも現在療法士10名、経験内容、年数も様々です。皆がそれぞれの得意分野を生かし、苦手分野は補い合い、全体の底上げをして、チームたもつで利用者さんにより良いリハビリが提供できるよう目指しています。写真は、若手職員から頼まれて技術指導を行なっているところです。勤務時間外ではありますが、自主的な自己研鑽に励んでくれる職員には徹底的に付き合います(コロナ流行期は難しいですが…)。もちろん勤務時間内にも毎週web研修の時間を設けています。勤務時間内の研修時間に関しては他のステーションさんより多いのではないかと思います。入職を検討されている方が読まれていましたら参考にしてくださいね。
訪問看護リハビリステーションたもつでは、教育研修に力を注いでいます。全体研修、療法士研修、看護師研修の一年間スケージュールを作成し実施しています。また、カンファレンスも全体・療法士・看護師を時間内でできるよう週に1時間設けています。スタッフの知識・技術向上を地域の皆様に還元できればと思います。
訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。
令和4年8月以降の作業用療法士・理学療法士・言語聴覚士(伏見区・京田辺)令和4年8月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、優遇します。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。
統括所長 西谷 保