こんにちは。作業療法士の古澤です。紅葉シーズンが到来し、数年ぶりに京都にも多くの観光客が訪れています。訪問途中にも景色の変化を感じ、夕方には日の入りが早まっているのを実感しています。

さて皆さんは「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」という言葉をご存知でしょうか?これは将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ケアチームが事前に繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援するプロセスのことです。病気などで自分の望む治療を伝えられない可能性もあります。もしもの時にご家族が判断に悩むこともあります。元気なうちから、繰り返し話をする中で、ご自身の希望を深く理解してもらうことができます。ただし、希望や思いは状況や時間経過によって変化していくものです。何度も何度も繰り返し話し合う必要があります。

Aさんは心機能も腎機能も低下してきており、横になっても座っていても倦怠感が続いています。下肢の浮腫も続いています。少し動いただけで息切れがします。年齢も重ねておられ、「これは自然な衰え」とご理解されています。そして「入院してもこれ以上どうにもならん。管に繋がれて何日か長生きしても仕方ない。ここで自然にお迎えが来るのを待ってる。入院はしたくない。ただ、痛いとか苦しいのは嫌やなぁ。」と常から話されています。そのことは娘さんや息子さんにもお伝えされているとのこと。ケアマネジャーさんにも似たようなお話しはされています。往診の先生にも入院を希望していないことは伝えておられます。

しんどい中でも自身で寝起きし、トイレまでゆっくり歩き、時間をかけてでも身の回りのことは何とか行っておられます。出来るだけご家族に迷惑をかけず家で生活したいと、頑張っておられます。その日はいつ訪れるかは誰にもわかりませんが、ご本人の望む治療や生活について伺うことができています。あとはこの意向をご家族や医療・介護スタッフで改めて情報を共有して、書き留めておく必要がある(アドバンス・ディレクティブ)と考えています。そして、その気持ちに変わりがないか、他の希望がないか、確認もしていく必要があります。

療法士にできることは、ご本人の望む生活の実現を支援することです。少しでも身体が楽に動かせるように可動域練習や筋力の維持を促しています。歩くのが大変なので、先日ベッドの位置を変更してトイレまでの距離を短くしました。しかし慣れない環境では眠れないと、元に戻されておられます。歩行距離が長いので安全に歩けるよう歩行器の提案をしています。その他トイレでの立ち座りがしにくくなっておられる為、使いやすい手すりの設置や介護ベッドの導入も提案しています。簡単には首を縦に振ってくださいませんが、そこにはご本人の「皆の手をとるのが気の毒」という優しさもあり、お気持ちを受け入れながら少しずつ進めています。またバイタル測定や観察などから病状の変化をできるだけ早く察知し、往診医とも連携できるよう努めています。

「もうえらいわ。もういつ死ぬかわからん。」毎週顔を合わせるたびにおっしゃるほど、ご本人はしんどいのです。もう1年近くこんな調子です。それでも「また今週も会えましたね。今週も会えて良かったです。」と笑ってリハビリをしています。

訪問看護リハビリステーションたもつでは、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を大切にし、支援させて頂いております。

訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。コロナ禍においても、利用者さんに安心して頂ける支援をしています。

令和5年1月以降の作業用療法士・理学療法士・言語聴覚士(伏見区・京田辺)令和5年1月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、特別優遇します。ご遠慮なく連絡ください。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。

統括所長 西谷 保