こんにちは。お久しぶりです、作業療法士の平田です。気付いたらもう12月、今月に入ってから、ぐっと冷え込む日が増えましたね。僧侶も走り回る師走ですから、皆さんも年末に向けて忙しくなっておられると思います。体調を崩されないようご自愛下さいね。

今日は私が担当させて頂いて3年になる、あるご利用者様のお話をさせて頂きます。

Aさんは90代女性の方で、一時は余命宣告もされたことがあり、同居のご家族の方と出来る限り機能を維持しながら安楽に生活出来ることを目標に、その支援の一環としてリハビリを行うこととなりました。年齢的にも、年相応に認知機能の低下が見られており、生活の大半を臥床して過ごされている、謂わゆる寝たきりの方です。

それでも訪問した際には、関節可動域練習を行っている時にショートステイ利用中に起こった出来事や、スタッフとの会話内容など色々なお話を聞かせて下さったり、一緒に車椅子に移乗してご自宅内を散歩したり、道路に面した窓から近所の様子を見て、「昔はあそこに建物があって、お友達が住んでいたんです。」「そこの畑は〜年前から変わりません。」「そこの家は壊して道路にするって言うてはりました。」など、私の知らないことを色々教えて下さったりと、とても温かいお人柄で、こちらの気持ちも穏やかになるような時間を一緒に過ごしながらリハビリさせて頂いていました。

数ヶ月前からAさんは、亡くなられた夫が昔勤めていた海沿いの学校を一度見に行きたい、というお話をされるようになりました。訪問させて頂くようになってからそれまで、一度もそのような希望や願望をお話しされたことがなかった為、最初にそのことを聞いた時は、何か夫とのエピソードでも思い出したことがあったのかな、でも遠い場所でもあるし、在宅時はほぼ一日中臥床して過ごされているAさんが片道2時間半〜3時間もかかる行き帰りの間、車中でずっと座って過ごすのは体力的に難しいかも知れないな、と思い、傾聴はしていたものの、実現は困難ではないかと考えていました。

Aさんのキーパーソンであるご家族様自身も、身体機能的に力のいる介護は難しい状況であり、体調不良も時々見られた為、実現に向けて協力して頂けるのか分からず、そこで、ご家族様はどのように感じ、考えておられるのか尋ねてみました。すると、ご家族様は、現実的にAさんの希望を叶えてあげたいと考えて下さっていたことが分かりました。

実際に主治医にそれだけの時間の外出は可能か確認をとって下さり、担当のケアマネジャーさんに相談し、一日中乗れる介護タクシーを手配されたりと、計画を進めて下さりながら、私も一緒にギャッヂアップ座位時間を延長出来るようお声かけしたり、端坐位をとっている時間を延ばしてみたり、耳の遠いAさんと大きな声が出せないご家族様の間に入って、一緒に旅先で何が食べたいか、どんなお店に寄りたいか、凡そどのくらい時間がかかるかなどを、タブレットを使いながら調べたり、意見交換をしては、日帰り旅行への気持ちを高めるお手伝いをさせて頂きました。

そして、遂に日帰り旅行の日が来たAさんとご家族様は介護タクシーに乗り、ずっと行って見てみたかった、夫が勤めておられた学校を目にすることが出来たと、前回訪問時にはAさんが教えて下さいました。その時のAさんは本当に明るく、嬉しそうな様子で、「しんどくはなかったですよ。車でも起きてました。もうあそこまで遠くなくていいから、次は牡蠣の食べられるとこ(ご家族様の好物)かな。」と、次の目標や希望に向かっておられる姿を見せておられ、Aさんの夢が実現したことや、無事に旅行が終えられたことを含め、本当に嬉しく感じました。

私達訪問看護リハビリステーションたもつは、ご利用者様やご家族様とお話をさせて貰いながら、ニーズ沿って目標を立て、それぞれのペースや希望を大事にしながら一緒にリハビリに取り組んでいます。もし、何か困ったことがあればそれを解決出来るように、また、より良い生活が送れるように、一緒にリハビリという形でお手伝いが出来れば、と考えております。

写真は寒くなってきて、鴨川によく見られるようになった鴨達です。冬になったなぁ、と感じたので、写真におさめてみました。ちょっと遠かったので、はっきりとは見えないのが残念ですが、雰囲気だけでも伝わればと思います。

利用者さんの希望を話して頂けたこと、希望を実現に向けて利用者・すべての支援者が協力して取り組める環境・実現できたことに素晴らしさに在宅・地域の強さを感じます。

訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。コロナ禍においても、利用者さんに安心して頂ける支援をしています。

令和5年1月以降の作業用療法士・理学療法士・言語聴覚士(伏見区・京田辺)令和5年1月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、特別優遇します。ご遠慮なく連絡ください。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。

統括所長 西谷 保