訪問看護リハビリステーションたもつ 伏見管理者の平田です。

 まだまだ天気も不安定で体調のコントロールの難しい時期が続きますが、室内では室温と湿度に注意し、外出時は適度に水分補給を行い、何とかこの季節を乗り切りましょう。さて、私は日々管理者として新規に訪問看護の依頼を頂いた際に、事業所の窓口として利用者さんやその家族の方と最初に顔合わせをさせて頂いています。

 その初回訪問の際、特に癌の末期と診断されている利用者さんとのやり取りに関しては、毎回どのようにすれば利用者さんにとって最善であったのかと考えさせられる日々です。

 先日、○○癌の末期で余命1ヶ月ほどと宣告を受けた80代女性 A氏の初回訪問に伺いました。A氏は体調不良で入院されていましたが、入院加療により一時的に体調が回復されました。A氏は入院中から自宅においてきた猫が気になると主治医に話しており、主治医としても今の体調であれば自宅に帰って猫の事や、身辺整理をする事が出来ると判断し退院する事となりました。A氏との顔合わせでは、明らかに痩せており黄疸(全身が黄色なる)が顕著に現れていました。体調は明らかに良いと言える状態ではなく、そんな中でも私に終始笑顔で応対して頂きました。そのA氏とのやり取りの中で、『自分は後1ヶ月の命しかないので、最後はこの住み慣れた家で死ねたらそれで良いんです。私の人生に悔いは何もありません』と話されていました。

 在宅医、ケアマネジャー、関連職種と共同し、このA氏の思いを叶えたいと、訪問看護としては毎日の訪問さらに24時間体制での緊急対応をしていく事をA氏に伝えました。A氏は私の説明を受けながら、『大丈夫、大丈夫、自分の事は自分で出来ますから』と何度も話していたのが印象的で、その日の訪問を終えました。翌日、ケアマネジャーさんより連絡がありA氏が自分で救急車を呼び入院されたとの事でした。そして、その後退院される事はなく約1週間後に亡くなりました。

  A氏の『住み慣れた自宅で死にたい』という願いは叶う事はありませんでした。

救急車を呼ぶという判断は、もう2度と自宅に戻る事はないとA氏の頭によぎったものと思われ、苦渋の決断であったと推測されます。QOL』という言葉を聞かれた事のある方は多いと思います。QOLとはクオリティ・オブ・ライフの略で「人生の質」や「生活の質」、人間らしく満足して生活してるかを表す概念です。しかし、死が間近に迫った場合に、「生」に対する前向きな姿勢を問うQOLよりも、どのように死を迎えるかに焦点を当てた『QOD』という考え方があります。QODとはクオリティ・オブ・デスの略で、概念は、いかに満足して死を迎えるか、という終末期の質を表しています。

  A氏は一時的でも自宅に帰って来られた事で満足感は多少でも、あったものだと思いました。A氏とはたった1時間程の関わりでしたが、自宅にいる時の穏やかな表情は忘れられません。訪問看護師として、少しでもその人らしい最期を迎えられるためにできる事は、退院前カンファレンスなどの開催により早期の介入(今回は退院日当日からの介入)によって、本人の思いに沿った、自宅で最期を迎えられるための環境調整、医療チームの構成等が重要であると学ぶ事ができました。A氏のご冥福をお祈りします。

訪問看護リハビリステーションたもつでは、積極的に終末期の利用者さんを受け入れています。希望を叶える支援を第一にしています。

訪問看護たもつは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。

訪問看護リハビリステーションたもつでは、令和5年8月以降の作業用療法士・理学療法士・言語聴覚士(伏見区・京田辺)令和5年10月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。

在宅看護・リハビリに興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護・リハビリを提供しましょう。業者を通さず、ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、特別優遇します。遠慮なく連絡ください。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。

統括所長 西谷 保