看護師の宇治本です。今年4月に入職して、毎日新たな出会いや経験があり驚くほどの早さであっというまに半年が経ちました。最近はようやく朝夕が涼しくなり、猛暑の日々の中体調を崩さず乗り越えられほっとしています。今回は担当させていただいているAさんとその奥さんの関わりをお話しさせていただきます。

Aさんは神経難病を患っておられる方です。以前からADLや嚥下機能の低下がありましたが、ご自分で食卓に座って食事をされていました。ある日発熱をきっかけに入院され病院ではペースト食を介助で摂取される状態で退院されました。その日ご自宅に訪問し、昼食を介助しながら嚥下の評価を行いました。ベッド上の姿勢や首の角度、介助する時の注意点や食事の形態について奥さんへ説明しました。

Aさんは口をしっかり閉じる事が出来ないので、お口に手を添えて口を閉じる介助も必要でした。実際に食事介助の方法を見てもらった上で、奥さんにも介助もしてもらいました。Aさんの場合、水分もトロミをつけてスプーンで食べるように摂取する事も説明しました。食事介助するにはベッドの向きの変更や今後Aさんが自分で食べる事も想定してオーバーテーブルの導入を提案しました。奥さんは以前のようにAさんに早く元気になって自分で食事ができるようになって欲しいと願われながら、大変ですが3食Aさんの食事の準備や食事を介助されていました。

その後の訪問時には、ベッドの向きは変更されテーブルも導入されていました。そして奥さんからはたくさんの食事に関する相談を受けました。その中ひとつはパン粥を作って食べさせているけど、作り方ってこれでいいなか?奥さんのレシピを伺い、アドバイスしました。明日の朝作ってみますと言われると、それを聞いておられたAさんは何やら話だされて、文字盤を指さされ「い、ま、つ、く、っ、て」奥さんと私は、今作るの!と驚きましたが、作ってもらう事にしました。

実際に作ってもらう事で、水分の割合やどれくらいの柔らかさにするかを直接伝える事ができました。出来上がったパン粥をAさんに食べてもらいました。Aさんは口からこぼさずに咽ることもなく食べる事ができ、感想を伺うと笑顔を見せてくださりました。誤嚥せずに口からこぼれる事無く食べる事ができる形態にする必要があるので、Aさんに合った食事が適切に作れているか奥さんは不安でいっぱいだったと思います。Aさんの今の嚥下の状態を説明し、実際に調理や調理された物を見せてもらって一緒に確認して承認していく事で奥さんも安心して調理や食事介助が出来たと思いました。その後も訪問毎に奥さん手作り料理を見せて頂きました。そしてAさんも自分でも食べる事ができるようになってこられています。

口から食べるということは、栄養確保だけでなく食べる楽しみや満足感、生きる意欲にも影響があります。利用者さんやご家族の「食べたい」「食べさせてあげたい」と思う気持ちに寄り添い、少しでも口から食べることで笑顔が増え、生きる力につながるよう、関わりをしていきたいと思います。

宇治本 彩 看護師は摂食嚥下認定看護師です。

訪問看護リハビリステーションたもつは、「食べること」に力を注いでいます。摂食嚥下認定看護師1名、言語聴覚士1名のスタッフが働いています。専門的な視点と極目細かさで、訪問看護リハビリステーションとしてアプローチしています。

訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。訪問看護訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。

令和511月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。業者を通さず、ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、特別優遇します。遠慮なく連絡ください。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。

統括所長 西谷 保