看護師の岩崎です。
ついこの間年が明けたように感じますが2022年ももう2月です。この冬は京都でもよく雪が降りましたね。
まだまだ寒い日が続いていますが、時折春の気配を感じる季節となりました。
訪問看護リハビリステーションたもつでは利用者さんのカンファレンスを週に一回行っています。カンファレンスではその方の近況報告や課題について意見交換することで、利用者さんの今後について事業所全体で考えたり、スタッフの抱える問題を解決しよりよいサービスへと繋がる機会となっています。
今日は私が担当している利用者Aさんとその家族のお話をしようと思います。
Aさんへの訪問は生活のリズムを整えることや規則的にお薬を飲めることを目的に2年前にはじまりました。
元々は会社を経営、スポーツに励みと他方で活躍しみんなから頼られる存在だったそうです。後期高齢者にあたる現在でも腕立て伏せができたりダンベルでの運動など身体能力は年齢以上のものがあり、Aさんも体を動かすことが大好きです。昨年5月からは療法士によるリハビリも導入し、週1回デイサービスで運動をおこなっています。陽気で優しいAさんですが、数年前から認知症のような症状が現れ同じ話を繰り返したり、少し前のことも覚えることができず日常生活に支障を来すようになりました。夜間なかなか寝付けず寝たり起きたりを繰り返していたAさん。Aさんが起きる度に隣で寝ている奥さんは一緒に起きてAさんの心配をしていたため寝不足になり、仕事についてもAさんが管理することが難しくなった今は奥さんが中心となってお店の管理をしています。そのような生活の中で少しずつストレスが溜まっていき、奥さんの介護疲れは一目瞭然で「私ももうしんどいですよ。」と言う発言もみられていました。Aさんは奥さんと2人暮らしで、お子さんはそれぞれ自立した生活を送っています。
週に1回の訪問ではお薬カレンダーにお薬をセットしきちんと内服できているか確認、清潔を保つために入浴を支援しています。
初めは奥さんに対しAさんの認知機能の低下から起こる課題を説明し、Aさんが生活していくためには周囲の協力が必要なことを伝えるなど奥さんに対するアプローチを行っていました。内服については声かけを依頼したり、過食が見られていたAさんに必要最低限の食事を提供するよう奥さんに協力を依頼し、その場では「なるほど。」「わかりました。」と理解を示す返事をくれる奥さんでしたが、次に訪問すると現状は変わっておらず、Aさんの意思を優先する奥さんに私も強くは言えませんでした。奥さんの中で「Aさんの認知機能が低下している」という認識があまりありないことも協力が得られない理由の一つでした。もしかしたら長年経営者として働くAさんを側で見守ってきた背景から認めたくない部分もあったのかもしれません。療法士とはそれぞれの訪問での本人の状態や奥さんの訴えなどを情報共有していました。私が考える看護とそれがなかなか伝わらない現状、またどうしたらいいかわからなくなっていく現状に次第に諦める気持ちが生まれてきました。そんな時にAさんのカンファレンスの順番が回ってきました。私はAさんの看護の方針について途方に暮れていることを相談しました。とあるスタッフから「奥さんだけではなくお子さんたちを巻き込んでみてはどうか」という意見をもらいました。自立した娘さんたちもそれぞれ多忙なことを奥さんから聞いていた私は娘さんたちに協力を得るのは難しいと勝手に決めつけていたのです。しかし、カンファレンス後、奥さんに娘さんたちとAさんについて話をしたいことを伝えると娘さんたちはすぐに時間を作ってくれ、Aさんの現状や問題点、娘さんたちが思っていることなどを共有することができました。実際に話をしたことで娘さんたちがとても協力的なこともわかり、神経内科を受診するという前進が見られました。また娘さんたちから奥さんにも声かけしてもらうことで、以前より奥さんの協力が得られたり、奥さん自身もAさんと適度な距離を保てるようになりました。神経内科からの処方を継続して内服できるようになりAさんの不眠の症状も以前より改善しています。奥さんもそれを感じておられ「あの時話ができて良かった。」とおっしゃってくれました。Aさんにとって娘さんたちと話す機会を設けられたことはとても大きな一歩になりました。私にとってもカンファレンスを行ったことで自分では発見できなかった視点を教えてもらうことができ、訪問看護たもつのスタッフは頼れる大きなチームだと改めて感じることができました。これからも一回一回のカンファレンスを大切に利用者さんのよりよい生活支援を考えていきたいと思います。
写真は今大人気!鬼滅の刃の主人公炭治郎が修行で切った大岩に似ていると話題の北九州にある荘八幡神社の鈴石です(笑)
訪問看護リハビリステーションたもつは、カンファレンス、研修の充実をさせ、支援体制を構築しています。あらゆる疾患を経験をしているスタッフ、療法士、専門看護師等の意見を聞き総合的に判断し、各スタッフの限界を超えられるように訪問看護リハビリステーションたもつとして支援をしています。
訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。令和4年1月以降の作業用療法士・理学療法士(京田辺)・言語聴覚士(伏見区)令和4年3月以降の看護師(伏見区)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接採用を最優先、優遇します。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。
統括所長 西谷 保