看護師の西口です。
日中の気温が30℃を越える日が増えてきました。まもなく京都も梅雨入りでしょうか?故郷の九州から京都に出てきた最初の夏、蒸し暑さに衝撃を受け「京都には住めない!」と、帰郷することを決意したあの日から20年以上が過ぎてしまいました。今は京都が大好きです。
光陰矢のごとし、早いもので私が『たもつ』の一員になって1年半が経とうとしています。今日は訪問の中で利用者さんからいただいた言葉で"看護"について、改めて考えるきっかけになったエピソードをお話しさせていただきます。
その利用者さんは、ご高齢のお母さんを自宅で献身的に介護されていました。関わりの中で利用者さんと私の故郷がとても近いことがわかりました。訪問の度に懐かしい方言やお店の話で盛り上がっていました。そんな矢先に利用者さんが体調を崩し病気が発覚しました。病気になるまでは母親の介護をしながら、ご自身の身の回りのことはもちろん、家の用事を全てこなしつつお仕事もされていた方でした。
入院期間を経て自宅に退院され、介護をしながらの闘病が始まりました。思うように動けず、これからのことを考えると不安でつらい時期だったと思います。しかし、利用者さんは「なったもんは仕方がない。」と、病気を否定することなく現実に向き合う強さを持っておられました。さらに「これまで母と過ごせたこと、みなさんに助けてもらってることに感謝してる。」と、いつも言っておられました。私が利用者さんの立場だったら、まず真似のできない姿勢だと思います。
そんな利用者さんに対して「私ができることは何だろう?」と自問自答を繰り返しましたが答えは出ず、ある日の訪問を迎えました。「お体を拭きましょうか?寝たままシャンプーもできますよ。足湯でリラックスしませんか?」など、いろいろ提案しましたが利用者さんの返事は「結構です。それより西口さんとは故郷の話をしたい。故郷の話は西口さんとしかできないからね。これは西口さんにしかできない看護だよ。」と。
その言葉を聞いたとき、「はっ」としました。私は看護師になってからずっと、目の前にいる患者さんに何が必要か・自分に何ができるのかを考えて行動しているつもりでした。しかし、これまで故郷の話をすることが看護につながっているとは微塵も思っていなかったので、その言葉が深く心に刺さりました。
故郷の話をする時は利用者さんと2人でたくさん笑い懐かしむ、私にとってもすごく楽しい癒しの時間でした。何気なくしていた故郷の話が、利用者さんにとっては何よりもして欲しいことだったのだと気付き、これが私のしたかった"心の看護"だ!と改めて考えるきっかけとなりました。
病院勤務時代には日々の業務に追われ、やりたくてもできなかった"心の看護"。今関わっている方、これから出会う方々が本当に望む"看護"を行えるよう、これからも日々精進してまいります。
「人は帰巣本能があり、故郷に帰りたいと常に思っている」と聞いたことがあります。故郷を大切にしている気持ちに寄り添う大切さを感じます。
訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。令和4年7月以降の作業用療法士・理学療法士(京田辺)・言語聴覚士(伏見区)令和4年7月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護に興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護を提供しましょう。ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、優遇します。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。
統括所長 西谷 保