看護師の古田です。先日、統括所長からも挨拶をさせて頂いていましたが、当ステーションも6年目に突入しています。毎年この時期を迎えると、改めて理念・基本方針をみつめなおし、自身の行動を振り返るタイミングとなっています。理念にある「生活をたもつ 健康をたもつ 笑顔をたもつ」 言葉にすればシンプルに見えますが、多くの方との関わりを経験すればするほど、その深さと難しさを痛感しています。利用者さんが一瞬でも「ふわっ」と笑顔になれるような、顔が笑顔になれなくても安心して心が笑顔みたいに「ほわっ」とほぐれるような、そんな一瞬一瞬が生まれるような関わりをしたいと思い日々訪問しています。
さて、今日は印象に残っているお看取りの場面をお話ししたいと思います。Aさんはがん末期でした。ご本人の強い希望とご本人の希望に沿いたいというご家族のお気持ちで病院から退院されました。退院されるまでも容態はなかなか安定せず、自宅に帰るまでもたないかもしれない、自宅に退院する移動の間に亡くなってしまうかもしれない、そんな状態でした。無事に自宅退院されましたが、一晩をご家族と過ごした翌朝にお亡くなりになられました。ご家族の「息が止まったかもしれません」との連絡を受けて私は早朝に訪問しました。Aさんとお会いするのはそれが初めてでした。訪問すると奥さん、娘さん、息子さん、お嫁さんにお孫さん、そしてかわいがっておられたワンちゃん、皆さんに囲まれて眠っておられました。ご家族が朝に顔を拭いて「おはよう」と伝え、体を拭いて着替えをしている間に息をひきとられたそうです。その後、往診医の先生により死亡確認がなされました。その際に先生が「Aさんがいつも使っておられた腕時計などありますか?」と聞かれました。いつも身につけておられた腕時計があり、それが刻んでいる時刻をもって死亡確認されました。Aさんが最期にご自宅で過ごされた時間は24時間もありませんでしたが、長年住んだご自宅でご家族みなさんに囲まれてのお看取り。ご本人と共に人生の時を刻んだ時計で最期の時刻を確認し、ご本人を囲みながらこれまでの事を医師とご家族と共に振り返る時間がありました。この方が希望した最期はこういうことだったのかな、とその時に感じざるを得ませんでした。たとえ死期が目の前に迫っていても、関係機関の連携によりご自宅で最期を過ごしたいという希望を叶えることができるのだと実感した事例でした。また、在宅看取りのあたたかさを強く感じる事例でもありました。ご本人とご家族にとって退院してから過ごした時間は実際の時間以上に尊いものになったと感じます。最近は訪問看護を開始してから短い期間にお看取りとなるケースも多くありました。その方にとってのかけがえのない時間をあたたかく支援できるように引き続き精進していきたいと考えています。
さて、今回載せている写真は担当させて頂いているご利用者さん宅の“インちゃん”です。いつも訪問中に後ろで見守ってくれています!おしゃべりをたくさんしてくれたりたまには歌を歌ってくれたり…私の癒しの存在となっています。インちゃんには「そろそろステーション日誌に登場するよ!」とお知らせしていましたがちゃんと見てくれているでしょうか…⁉まだまだ暑い日が続きますが8月も折り返し地点にさしかかっています。油断せずに熱中症対策をとり、残りの夏を乗り切りましょう!
訪問看護リハビリステーションたもつでは、看取りの利用者さんは毎月数名おられます。ケアマネージャーさんを含め多くの職種のチームと共に一体となり、一人ひとりの生き方、家族の思いを大切にし支援させて頂いています。
訪問看護リハビリステーションたもつでは、京都市伏見区、京都市南区、山科区、東山区、宇治市を訪問しています。あらゆる疾患に対して、24時間365日体制で訪問させていただきます。訪問看護訪問看護リハビリステーションたもつ京田辺 は、京田辺市、城陽市、井手町、宇治田原町、精華町の訪問体制を更なる構築したいと考えています。スローガンではなく、実際に活動できる、実施実績のあるステーションとなったと自負しています。
令和5年10月以降の作業用療法士・理学療法士・言語聴覚士(伏見区・京田辺)令和5年10月以降の看護師(伏見区・京田辺)を募集しています。在宅看護・リハビリに興味のある方は募集要項にありますメール・電話にて連絡お待ちしています。楽しく、明るく、質の高い看護・リハビリを提供しましょう。業者を通さず、ホームページからの直接メールまたは電話での採用を最優先、入社後の1回目の賞与を特別優遇します。遠慮なく連絡ください。6ヶ月後基本給をアップさせて頂きます。
統括所長 西谷 保